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脳の海馬や人間の記憶機能は何により破壊されるか

Posted by photn on 17.2017 未分類   1 comments   0 trackback
kaiba-yoko


高速道路から 50メートル以内の範囲に住んでいた人たちでは、高速道路からの距離
が 300メートル以上の場所に暮らしていた人と比較して、認知症のリスクが7倍高かっ
たことが示された。
ということがわかったというものでした。
実は、これが気になっていました。
何となく高い、というのなら、そんなに気にならないのですが、

「7倍」

はすごいです。

どんな病気に関する調査でも、「7倍リスクが高い」というのは、あまり聞いたことがない
です。

最近、ひどく悪者扱いされているタバコにしても、喫煙者と非喫煙者で発症率にこんな
に差があるものはほとんどないはずですし、一般的な病気となると、「原因となるもの」
が特定されていたとしても、「 1.2倍」とか、そういうようなのが普通で、この「7倍」という
のは。ものすごい数値だと思ったのです。

そして、この「認知症7倍」のニュースを知った時に、「高速道路沿いだと認知症が異常
に高くなる理由がわかれば、認知症の発生原因に大きく近づくはず」だと思ったのです
が、今日、何となくボーッと考えていて、昔のニュースや論文などを思い出していました
ら、非常に単純なメカニズムが浮かんでしまったのです。

それは、
「最新型の大気汚染」
です。

最新型というのは変な言い回しですが、古来からある通常の大気汚染ではなく、車など
から排出される「ナノ粒子」、あるいは、中国からやってくることで話題になることも多い
「粒子状物質( PM 2.5 など)」などによる「脳の破壊」について、さまざまな関連性が指
摘されていたことを少しずつ思い出したのです。

ここに、過去記事で取りあげたことのある「松果体の石灰化」なども合わせて考えれば、
ほぼ間違いないと思いますが、大気汚染だけが理由であるわけがないにしても、最近に
なって異常なほど全世界で認知症が増えている理由のひとつが、「新たな大気汚染」だ
と確信します。

「新たな」というのは、かつての大気汚染と違うナノ粒子や PM による大気汚染のことで
すが、報道や過去の学術論文などを合わせて、少しずつ「どうして新たな大気汚染が認
知症に結びつくと考えられるのか」を記してみます。

こういうことを調べさせるほど、あの「7倍」という数値は強力なものだったのでした。

ただ、これは、今日(1月13日)、お昼ご飯を食べていて、ふと気づいたものですので、あ
まり資料とかをきちんと探していないのですが、手持ちのもので十分に説明できると思い
ます。

まず、最初に、冒頭にはりました論文の概要をご紹介します。

アメリカに国立生物工学情報センターというものがありますが、そのデータベースに収め
られているもので、ナノ粒子や PM 2.5 が「アルツハイマー病」と関係する可能性を記した
ものです。

特筆すべきは、この論文は新しいものではないということです。

これは 2004年のものなのです。つまり、学術的には、ナノ粒子や PM 2.5 が認知症と関
係する「かもしれない」という統計的データは、十数年前に存在していたことになります。

ここからです。
重度の大気汚染にみられる脳の炎症とアルツハイマー様の病理

大気汚染は、オゾンのようなガスや粒子状物質(PM)や有機物などによって引き起こされ
ている。深刻な大気汚染に暴露した犬は、慢性の炎症と、アルツハイマー病のような病理
を進行することが知られ、このことは、脳が大気汚染により傷害を受ける可能性を示唆し
ている。

今回の研究では、このような重度の大気汚染の中で暮らしている人たちに脳の炎症が起
きているのかどうかについて調べた。

この調査は、メキシコ国内の大気汚染が深刻な都市と、そうでない都市に住んでいる人た
ちの中で、病気や事故で亡くなった方々の脳を採取し、分析して行われた。それぞれの脳
内のシクロオキシゲナーゼ(炎症反応を起こしている酵素)と、アミロイドβ(アルツハイマー
病で、脳の神経の中に蓄積し、細胞を死滅させるタンパク質)の一部の AB42(アミノ酸 42
個分の断片)の蓄積を調べた。


結果

大気汚染の深刻な都市(メキシコ市やモンテレー市などの 10人)に住んでいた人たちの脳
には、シクロオキシゲナーゼの量が前頭皮質と海馬において、統計的に有意に高く、さらに
AB42の蓄積も神経細胞と星状細胞で多かった。

さらに、臭球(匂いを感じる細胞)でもシクロオキシゲナーゼと AB42の蓄積が多かった。

これらの発見は、重度の大気汚染が脳の炎症と AB42の蓄積につながっていることを示唆し
、さらには、それらがアルツハイマー病の前兆である可能性を示唆しているといえる。


解説

大気汚染が深刻なメキシコ市に住んでいる人たちには、大人も子供も犬も呼吸器官の炎症
や、鼻の上皮細胞の破壊などが見られている。それらを顕微鏡で見ると、気管支にはマクロ
ファージ(白血球の一種)が PM(大気汚染の粒子状物質。ナノ粒子で、とても小さい)を細胞
内に取り込んで、集まっている。

メキシコ市の犬は、臭球(臭神経)の細胞が破壊されていることが分かっているので、人の場
合も同様に、臭神経の細胞が破壊されている可能性がある。

ナノ粒子の研究により、臭神経を通過して、脳にナノ粒子が運ばれることが実証されているが、
大気汚染物質の PM(粒子状物資)もナノ粒子なので、PM も臭神経を通して、脳の中に運ば
れ、脳の炎症を開始させている1つの原因である可能性がある。

ここまでです。

これを簡単に書きますと、

「大気汚染のひどい場所に住んでいる人の脳は炎症を起こしている痕跡が見られ、アルツハ
イマー病で多く見られる物質(アミロイドβ / ベータ)が多く蓄積されていた」

ということだと思われます。

ちょっと、いろいろな単語が出てきまして、混乱してきた感もありますので、ここまでに出てきた
用語をまとめて記しておきます。

・ナノ粒子 → 自動車排ガス由来のナノ粒子で、アイドリング時や減速時の自動車排気に多
く含まれる未燃焼軽油や潤滑油が主成分の微細な粒子(国立環境研究所)

・粒子状物質(PM) → 燃焼で生じた煤、土壌粒子、工場や建設によるる粉塵、燃焼による
排出ガスなどからの微細粒子。PM2.5が有名(粒子状物質)

・海馬 → 脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官(海馬 (脳))

・NMDA型グルタミン酸受容体 → 記憶や学習、また脳虚血後の神経細胞死などに深く関わ
る受容体であると考えられている(NMDA型グルタミン酸受容体)

・アミロイドβ → 認知症の多くはこのアミロイドβ(とタウタンパク質)の蓄積によって引き起こさ
れる脳神経細胞の死滅が原因と考えられている(認知症予防協会)



そして、認知症を語る上では「松果体」の存在も欠かすことができないですが、そのことにも少
しふれておきます。

新しい大気汚染が海馬への直接の影響と「松果体の石灰化」を同時に進行させる可能性

以前、

・多くの人類の松果体が破壊されようとしている現在に考える「多次元宇宙空間を理解する将来
のために松果体を守るべき」時代
 2015/02/22

という記事に、科学誌「ニューロバイオロジー・オブ・エイジング( Neurobiology of Aging / 老化
の神経生物学)」に発表された 2008年の論文の概要を記したことがあります。

アルツハイマー病における松果体の石灰化についての論文でした。

その内容の一部は以下のようなものでした。

Pineal calcification in Alzheimer’s disease: An in vivo study using computed tomography
アルツハイマー病における松果体石灰化

今回の研究では、279人の記憶障害で病院を訪れた外来患者(アルツハイマー病 155人、
認知症 25人、軽度認知症 33人、うつ病 66人)たちの松果体の石灰化の程度を決定するため
にコンピュータ断層撮影を使用した。

そして、同様に石灰化していない松果体の組織の大きさと、個人内のメラトニンの不足の
指標を調査した。

その結果、アルツハイマー病患者においては、石灰化していない松果体組織の大きさが、
認知症の他のタイプの患者よりも有意に小さかった(松果体の石灰化している部分のほうが
大きいという意味)。

また、アルツハイマー病患者における松果体の石灰化率は、他の認知症やうつ病よりも高
かった。

数値として、アルツハイマー病では 76.2% が松果体が石灰化しているという結果となり、
他の認知症では 63.7%、うつ病では 60.5%だった。
ということですが、大ざっぱにいえば、
「アルツハイマー病の患者の5人のうち4人の人たちの松果体が石灰化していた」
ということになりそうです。

アルツハイマー病と、松果体の石灰化の関係を示すデータは他にもありますが、いずれにして
も、「松果体の石灰化と認知症にはかなりの相関関係がある」といえると思われます。

そして、先ほどのように、記憶などをつかさどる脳の「海馬」の機能の問題が、認知症と関係し
ているであろうことは疑う部分がありません。

要するに、

・海馬
・松果体

をダブルで破壊されると、かなりの認知症リスクを抱えることになる、ということになりそうです。

では、それらの「ダブル破壊」を達成し得るものは何かというと、それが、先ほどから書いてい
る新しい大気汚染だと思われるのです。

というのも、松果体というのは、脳の中心にあって、血流の非常に多い器官です。

ですので、体内に入り込んだ後に、「血中に入り込む物質」の影響を受けやすいと考えられる
のです。

では、「ナノ粒子や PM 2.5 などの大気汚染物質は血中に入り込む可能性があるのか」といい
ますと、たとえば、PM 2.5 などには、粒子状物質 – Wikipedia に以下の説明があります。

PM2.5は非常に粒子が細かいため人体内の肺胞の中に入り込み、炎症反応や血液中に
混入するなどの恐れがある。



このように、PM 2.5 は、

> 血液中に混入するなどの恐れ

というようになっていまして、ディーゼルの排ガスなどから排出されるナノ粒子もその名の通り
微細な粒子であるため、大ざっぱに考えれば、これも血中に混入して不思議はないものだと
思われます。

そして、血中に入った物質は、おそらく、ほぼすべてが松果体を何度も通過し、物質によって
は、松果体の石灰化を促進させながら、その物質の持つ「影響」を体や脳の細胞や遺伝子に
与えていくと考えられます。

このように考えていきますと、ナノ粒子や PM 2.5 などの物質による大気汚染の本当の脅威と
は、肺の疾患やアレルギーもあるでしょうけれど、それよりも、

「松果体と脳の海馬」の両方に影響を与える可能性のあるこれらの物質の増加が、世界の
認知症の増加と関係している…かもしれない

ということになるのだと思われます。

「かもしれない」と控え目に書いていますが、個人的には、認知症の増加にかなり荷担してい
るのは確実だと思っています。

もちろん、認知症を発症した後に、それを加速させるのがストレスである可能性が非常に高
いことを、

・アルツハイマー病の最大の原因が「ストレス」である可能性がアイルランドの大学の研究に
より突き止められる
 2015/10/23

という記事で書いたことがあったり、認知症には、発症そのもの、そして進行の状態を左右
する「何か」にも、いろいろな要因があることは確かなのでしょうけれど、やはり、その発端で
ある、カナダの研究の、「高速道路近くに住むと認知症リスクが7倍」という異常な数値に反
応したことがあります。

仮に、大気汚染やナノ粒子が認知症の原因ではないとしても、高速道路、あるいは主要幹
線沿いに住む人たちについての調査は全世界的にもっとおこなわれていいものではないか
とも思います。

何しろ、今の世界は、下のグラフのように「全世界 認知症危険アラート」が鳴り響いている
渦中にあるのですから。
仮に・・・ですけれど、仮に、「車などの排ガスと認知症が強く関係している」という結果が導か
れたとした場合・・・たとえば「社会の車を減らす」というような状況が訪れる可能性があるか
といいますと・・・「それは無理」という声がすでに聞こえているのが現状です。

日本だけではなく、多くの主要国で、自動車産業は基幹産業。

それは国の経済的な基盤にまで影響を及ぼすものです。

つまり、車をどんどん売れ! どんどん走らせろ! は、業界だけの願いではなく、世界全体
の願いともいえます。

自動車産業がない国でも、たくさんの建設がおこなわれ、たくさんの大型車が走り回る状況と
いうのは何かというと、「景気が良い」状況です。どこのどんな国の指導者だって、自分の国を
そうしたい。

たっくさんの車が売れて、たっくさんの建設が行われ、どこもかしこもディーゼルの排ガスで包
まれる活気の社会。

それを願っているはずです。

何が何でも経済を優先するのが今の主要国の進んでいる道ですが、そこから見ますと、仮に、
ナノ粒子や PM 2.5 が認知症の原因だとしても、「ただそれを認識して、この状況で生き続け
るしかない」というのが現実的な考え方だと思われます。

これに対して抜本的な対応方法(変な対症療法ではなく「抜本的」です)を提案できる人がいた
ら、それは天才だと思います・・・が、現状でそんな対策が考えられると想像することは、ほとん
どメルヘンでもあります。

そして、これは全世界の話でもあります。

たくさんの車が走り、たくさんの建設が行われ、経済的な活気に満ちた国作りをみんな望んで
いるのですから、世界中が基本的にはその方向に進んでいくのだと思います。

それは、冒頭に示した CNN の「世界人口の 92%が大気汚染の中で生活」という報道とも結
びつきます。

そして、全世界で仲良く、海馬と松果体の機能が低下し続ける社会となっていくというようなイ
メージが強くなってしまいます。

もちろん、「これが根本的にくつがえる」可能性がないわけではないですが。それは、「後にも
先にも見たことのないほど強大で壊滅的で全世界的な経済的恐慌が起こる」ことで、これが起
きれば、社会から排出されるナノ粒子や PM 2.5は自然と減ります。
でも、そんなことは誰も望みません。

そんなわけで、厳しい現状ですが、今回書いた「大気汚染と認知症の関係」は、ある程度正し
いと思います。
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1970.01.01 09:00 | URL | ~ #79D/WHSg[edit]


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