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コミックトリガー 序とは

Posted by photn on 24.2008 ET
宇宙移住計画に隠された今世紀最大の謀略が、今暴かれる!


太古に端を発し、歴史の光と影の中を
密かにうねりながら続く 超人結社イルミナティの陰謀。
その最終秘密が、ついに暴かれるときがやってきた!
加速する宇宙開発の裏に潜む恐るべき事実とは?
暗躍する魔人たちの背後で、人類の未来の鍵を握る
コスミック・トリガーが、今、無窮の闇に向けて引かれる……!

 

 

■■プロローグ:

人類の進化に向けて、今、引かれるコスミック・トリガー


それがいつから始まったことかは誰も知らない。そして、そのいきつく先がどこなのかも、同じく闇の中だ。しかし、それは確かに有史以来、ずっと続いてきた。そして今も続いている。「それ」とは、エイリアンとのコンタクトであり、そのエイリアンと不可分に結びつき、地球支配を目論んでいるとされる謎の秘密結社、ないしその運動体“イルミナティ”のことだ。

エイリアンという呼び方は、地球以外の宇宙のどこかの星の生き物を連想させる。しかし、このイメージはあまりに漠然としている。火星でも、金星でも、アンドロメダ星雲でも、宇宙ならどこでもいいというのでは、あまりに子供じみている。

彼らがどこの星と結びついているかは、実はかなりはっきりしている。
それは古来“悪魔の星”ともあるいは反対に“神の星”とも考えられてきた大犬座の主星シリウスなのだ。

紀元前のはるか昔から、このことは、たぶん秘教伝授者のあいだでは常識だった。しかし、この“隠された(オカルト)”知識は、20世紀に至るまでは決して公にされることはなかった。それが、我々の生きているこの20世紀に至って急速に“公開”され出した背景には、人類進化の根本に関わる巨大な謎の動きが隠されていたのである!


20世紀に至り、世界各地のオカルト・ロッジは奇妙なことに、一斉に一つの方向を目指して動きだした。そして、人類進化が、今やのっぴきならない局面にさしかかった、と口を揃えて主張しはじめた。

彼らは天の一角を指して、こう言うのだ。
「今まさに、人類の未来を決定づける“コスミック・トリガー”が引かれんとしている!」

宇宙進化の撃鉄(トリガー)に指をかけているイルミナティ=シリウス・ネットワークの手は、果たして「神の手」か? その計画とは? そこから導きだされる人類の未来とは?

謎を解く鍵を求めて、我々はまずシリウス生命体が20世紀に残した足跡へとおもむこう……。

 


夜空に輝く大犬座の主星シリウス。
太陽の48倍もの明るさを持つこの恒星は、
古くからミステリアスな伝承を伝えている。

ちなみにシリウスは英語で「DOG STAR」と呼ばれている。

 

 


■■PART-1:

地球を覆う不気味なシリウス・ネットワークと“陰謀”の匂い


闇の天空に最も強い光彩を放って輝くシリウス──それは古来、ミステリアスな伝承を抱えもつ星だ。そして、エイリアンと接触した数多くの人々の証言にこの謎の星が登場し、神秘主義者たちも熱い目を向ける。シリウス・ネットワークに包まれたこの地球で何かが起こっている! まずは、これから紹介する人々の話を聞いてほしい。

 

■シリウス生命体とコンタクトした人々


★ケース1: ジャック・パーソンズ


ロケット工学のパイオニア
ジャック・パーソンズ

 

人類が明確な意志をもって宇宙に乗りだそうと決めた世紀に、われわれは生きている。今日では、人類がごく近い将来、宇宙に乗りだすだろうことを疑うものはない。ジャック・パーソンズは、われわれがロケットに乗って大気圏を飛びだすことが夢ではないということを実証するうえで、特筆大書すべき功績を残した。

彼はロケット工学の分野のパイオニアのひとりで、彼がいなければ、アメリカの宇宙開発は間違いなく大幅に遅れただろうと評価されている。アメリカを代表するテクノクラートの養成所、カリフォルニア工科大学の共同創設者のひとりとして、あるいは月のクレーターのひとつにその名を冠することを認められた科学者としても、パーソンズの名は忘れることはできない。

しかしこの科学者は、同時に筋金入りのオカルティストでもあった。1930~40年代にかけて、彼はアレイスター・クロウリーの血をひく東方聖堂騎士団(OTO)の有力なメンバーだった。そして、ちょうどクロウリーが、エイワスと名乗るエイリアン知性体からメッセージを受け、『法の書』を著したように、パーソンズも謎の高度知性体からのメッセージをキャッチし、『反キリストの書』という神霊文書を公刊した。

エイリアンのメッセージは、人類のとるべき道を指し示していたが、それは心理的な意味でも、実際的な意味でも、きわめて急進的な“革命”を志向していた。

エイリアンは、人類が今、急激な転回点にさしかかっていることをパーソンズに吹き込んだ。この天才ロケット工学者が、明晰な頭脳をフルに稼動させてロケット開発に打ち込んだことと、このエイリアンとのコンタクトとは無関係ではない。

問題は、このエイリアンの正体だ。『反キリストの書』の中で、エイリアンは「あらゆる力と存在を、われらがレディー、ベイバロンに集中せよ」と教えている。ベイバロンとは何者か?

その正体はタロット・カードが教えてくれる。ベイバロンはタロットの大アルカナ17番にいる。「星」と名づけられたこの女神は、古来、伝統的なシリウス・コネクションのシンボルなのだ。ここに、まず1つめのシリウスが登場する。宇宙開発──秘教科学──シリウス……この結びつきを記憶しておいてほしい。

 

★ケース2: ジョージ・ハント・ウィリアムソン


(左)ジョージ・ハント・ウィリアムソン
(右)彼が接触したエイリアンから伝えられたという
エノク語のアルファベット

 

上の〈ケース1〉で紹介した天才ロケット工学者ジャック・パーソンズは1949年、研究室で謎の死を遂げた。

その死からほどなくして、宇宙考古学のパイオニア、ジョージ・ハント・ウィリアムソンは、エイリアンとの奇妙なコンタクトを開始した。宇宙人やUFOとの接触自体は、特に珍しいものではない。しかし、ウィリアムソンの場合はコンタクト内容が異常だった。

彼は接触したエイリアンから、彼らの言語を教わった。ところが、その宇宙人語の中に、16世紀の天才数学者ジョン・ディー博士が霊媒を使って収集した“エノク語”──通称“天使語”が、いくつも含まれていたのである。

もちろん、ウィリアムソンはエノク語など知らなかった。この秘密言語は、クロウリーら「黄金の夜明け団」系列の上級者のみが秘密の知識として守っていたもので、今日のように言語学者までが研究対象にするほどポピュラーな言葉ではなかった。

そしてここが重要なのだが、ウィリアムソンは、そのエイリアンがシリウス生命体だったと主張しているのである!

となれば、ジョン・ディーが交信した“天使”は、シリウスから飛来したエイリアンとなんらかのコネクションがあることになる。この突飛な考えは、クロウリーにまつわる以下のエピソードで、いっそう怪しげな説得力をもちはじめる……。

 

★ケース3: アレイスター・クロウリー


(左)アレイスター・クロウリー
(右)彼が接触したという「エイワス」を
描いたスケッチ

 

オカルト界の魔人クロウリー──。彼が1904年、エイワスと名乗る謎の“守護天使”から3日間にわたってメッセージを受けとり、『法の書』を著したことは前述した。このエイワスが何者かが、われわれの興味の焦点となる。しかし、直接それを知る手がかりはない。少なくとも、クロウリーは明言していないのだ。けれども、クロウリーの弟子筋にあたる東方聖堂騎士団(OTO)のグランド・マスター、ケネス・グラントが、その謎解きの鍵を残してくれている。

結論から言おう。エイワスはシリウス生命体だというのが、グラントの主張なのだ。それを裏づける証拠はいくつもある。たとえばクロウリーは、結社内でフェニックスと名乗った。フェニックスは大犬座のシンボルだ。では、大犬座の主星は?──いうまでもなくシリウスである。

  また、クロウリーは、彼の魔術的磁場の中心を、ある特殊な星に求めた。その星は、オカルトの伝統においては『太陽の背後の隠れた太陽』とよばれた。グラントによれば、それは「隠れたる神、巨大な星シリウス、あるいはソティスである」という。

クロウリーが著した『法の書』は、「〈ハド〉よ! 〈ヌイト〉の顕現」という一節から始まる。このヌイトとは何者か? それはエジプトの天球を象徴する女神だ。というより、イシスやオシリスらの母といったほうが話がすっきりする。というのも、イシスは、エジプトではシリウスそのものの象徴として広く信仰された女神であり、オシリスはそのシリウスの伴星のシリウスBを意味しているからだ!

ここで問題になるのは、シリウスBが発見されたのが1862年だという点だ。シリウスは太陽の48倍の光度をもつきわめて明るい星だ。だから肉眼でもよく見える。しかしシリウスBは暗い星だ。その存在は、肉眼ではもちろんまったく見えない。それどころか、この星を発見して以降、そのアウトラインをつかむまでに、人類は100年以上の歳月をかけている。

そんな星の存在を、紀元前のエジプト人がなぜ知っていたのかと、あなたは疑問に思われるにちがいない。その謎を間接的に解明してくれるのが、次のケースだ。

 

★ケース4: ロバート・テンプル
         マルセル・グリオール
         ジェルメイン・ディテルラン


(左)文化人類学者ロバート・テンプル
(中)同じくマルセル・グリオール
(右)同じくジェルメイン・ディテルラン

 

上の写真の3人はいずれも高名な文化人類学者だ。彼らの名が永遠に人類史の中に刻み込まれるのは、ドゴン族の研究のおかげである。

アフリカの未開部族のひとつ、ドゴン族は、信じられないことだが、科学者がようやく19世紀に至ってその存在をつきとめたシリウスBを、はるか昔から民族の伝承として伝えてきていた。ドゴン族は、シリウスBがシリウスの周囲を楕円軌道で回っていることや、その公転周期が約50年であることも知っていた。その星がきわめて小さいことも、また、異常に大きな質量をもっていることも熟知していたのである。こうした知識は、いずれも20世紀科学がようやく割りだした知識なのだ。

ほかにもドゴン族は、絶対に知りえないような天文知識を多く所有していた。そして彼らは、それらの知識は、太古、シリウスから訪れたETが彼らに伝授したものだと主張した。

伝承、文化、遺跡その他を、徹底して調べに調べぬいたあげく、テンプルは全面的にドゴン族の主張を受け入れる以外、この謎を合理的に解釈する方法はないと認めた。つまり、紀元前数千年の昔、シリウスから地球を訪れたETが、その天文知識をアフリカの原住民に伝えたと結論づけたのである。

このシリウスBに関する知識が、エジプトのオシリスに関する伝承と同根なのだ。

文化人類学者のロバート・テンプルは、この星の謎を「シリウス・ミステリー」と命名し、1976年に『シリウス・ミステリー』という本を著して研究成果を公表した。ここにまたひとつ、シリウスにまつわる謎が登場した……。


(左)シリウス星系にまつわる天文知識と伝承を伝えるドゴン族
(右)ロバート・テンプル著『シリウス・ミステリー』の表紙

 

 

★ケース5: ロバート・アントン・ウィルソン


(右)ロバート・アントン・ウィルソン
(左)彼の著書『コスミック・トリガー』

 

そのロバート・テンプルの著書『シリウス・ミステリー』が公刊される3年前──1973年の7月23日に、オカルト作家であり、『プレイボーイ』の元編集者であり、過激な心理学者でもあるロバート・アントン・ウィルソンは、まことに奇妙なメッセージを夢の中で受信した。

「シリウスは非常に重要である──」これがメッセージの内容だった。

そのときまで、ウィルソンはシリウスについては何も知らなかった。ただ、彼はこのメッセージを受信する10年ほど前から、ETとおぼしき知性体とコンタクトはしていた。

そのETは、「緑色のいぼ状の肌をした、とがった耳の男」として現れた。彼のコンタクト方法は、ヨガやタントラ、クロウリーの召喚魔術などによるものだったが、メッセージを受けとる前日も、これらの方法でトリップし、しばしばエイリアン的な実体とのコンタクトを体感していた。けれども、そのETは、いわば無国(星)籍のETだったという。

ところが、7月23日の朝のメッセージは、はっきりと「シリウス」という固有名詞を出してきた。ウィルソンは面食らった。そこで、すぐさま図書館に出かけ、シリウスについて調べてみた。そして驚くべきことを知った。彼がメッセージを受けた7月23日という日は、古代エジプトで新年を祝い、シリウスを祭る祭儀の始まりの日──“犬の日”にあたっていたのである! (エジプトではシリウスは「犬」と呼ばれていた。)

この日を境に、ウィルソンはシリウスからの目に見えない暗号やメッセージを頻繁に受けとるようになる。と同時に、周囲から、謎の秘密結社イルミナティの結社員のひとりと見なされるようになるのだが、彼の主著『コスミック・トリガー』(八幡書店刊)には、その謎めいたメッセージの内容および、本記事の主要テーマにかかわるイルミナティの陰謀の全貌について詳しい言及がなされている。

さて、ここでさらに、もうひとりの重要人物が登場することになる。

 

★ケース6: ティモシー・リアリー教授


元ハーバード大学心理学教授
ティモシー・リアリー教授

 

ウィルソンが初めてシリウス・メッセージをキャッチしたまさにその日──1973年の7月23日に、20世紀で最も危険な知性の持ち主、元ハーバード大学心理学教授のティモシー・リアリー教授は、サンフランシスコのフォルサム刑務所内で、突拍子もない実験を挙行していた。

同じ刑務所の他の房にいるベナー、刑務所の外にいる自分の妻のジョアンナ、そしてベナーの恋人の4人が、それぞれETにテレパシーを送り、ETからの返信を記録して、その内容をすり合わせようというとてつもない実験だ。

意識を変成させ、深いトランス状態に入ることは、ティモシー・リアリーにとってはすでに自家薬籠中のテクニックだった。実験に参加した他の3人も、彼から手ほどきを受けていたし、素質もあった。

実験は前述のとおり、1973年7月23日の“犬の日”に行なわれた。そして、別々の場所で行なわれたにもかかわらず、ETとのコンタクトはみごとに成功し、おまけに彼らがキャッチしたメッセージの内容は、ほとんど完全に一致していたのである!

“犬の日”──つまりシリウスの日(古代エジプトの正月)に行なわれたETとのコンタクトの内容は、のちに「スマイル・メッセージ」としてまとめられる。この謎の文書こそ、20世紀に入ってなぜシリウスが執拗に地球に干渉し、イルミナティ復活に拍車がかかったのかの謎を解く鍵になる……。この謎に満ちたメッセージの詳しい内容(全文)はのちの章で明らかにしよう。

 

■エイリアンと接触し、その意志の下に活動する謎のグループが存在する!?


ここに紹介したいくつかのケースから、われわれはシリウスに由来するミステリーが、地球のほぼ全域に起こっていることを知った。最も頻度が高いのは、アメリカだ。ジャック・パーソンズやウィルソン、ティモシー・リアリーはその一例にすぎない。UFO目撃談やコンタクト談、そしてUFO研究のメッカがアメリカである以上、これは当然のことだろう。シリウスに限定しないなら、社会的・学問的地位の確立している科学者で、ETとのコンタクトを表明し、あるいはその可能性を主張している学者が最も多いのもアメリカなのだ。

神秘思想家たちは、アジアの叡知をヨーロッパとアメリカに広める過程で、やはりシリウス・ミステリーをこれらの地域に広めている。
ロバート・アントン・ウィルソンによれば、今日の西欧オカルティズムの90%は、アレイスター・クロウリーとマダム・ブラバッキー、そしてG・I・グルジェフの3人の神秘思想家によって形づくられ、その系列下におかれているという。

そして、この3人が3人とも、自らの秘教体系の中核に、いわば秘伝としてのシリウスを隠しもっているのだ。つまり、シリウスがアジアに残した足跡を、これらオカルト界の巨人たちは掘り起こし、取り込んでいるともいえるのである。



神秘の超人G・I・グルジェフ


  例えば、グルジェフ。彼の弟子J・G・ベネットが著した『グルジェフ ─ 新世界の創造』の中には次のような一節が書かれている。

「グルジェフの死後、私は古くからの弟子たちの何人かに『ベルゼバブの孫への話』に関する解説を書いてくれないか、と頼まれた。だが、数章ほどそれを書いて、その解説のあらましを彼らに送ると、出版が妥当ではないことをみんなが認めた。もしグルジェフが、自分の意味するところを、読者すべてに容易に理解してもらおうと思っていたなら、彼はこの本を違うふうに書いたはずだ。グルジェフはしばしば草稿を朗読させたが、それを聴いて鍵になる一節があまりにも容易に(つまりそれゆえ必然的に表面的にということにもなるが)受けとられるようだと、即座にそうした部分を『より深く犬を埋めるために』と言っては書きなおした。弟子たちが、グルジェフに『より深く骨を埋める』のまちがいでしょうと言うと、彼は向きなおって、気づかなくてはいけないのは、これが『骨』ではなく『犬』であることだ、と返答した。犬とは犬狼星シリウスのことであり、ゾロアスター教の伝統では智恵の精霊をあらわしている。」



神智学協会を創設した
マダム・ブラバッキー


一方、マダム・ブラバッキーが創設した神智学協会の代表であるダグラス・ベイカー博士は、ダラスで開催された第4回「ヨガと秘教的科学」国際会議において、以下のような興味深い発言をしている。

「シリウスは銀河系の生命にとってはアジナー・センター(第3の目)であり、私たちの太陽はハート・センターに位置している。私たちの惑星的進化は、エネルギーをハート(太陽)からアジナー(シリウス)へと上昇させることにかかっている」





ではここで、シリウスが残した足跡を別の観点からながめてみよう。アフリカにおいてはどうだろうか? これもすでに見てきたように、ドゴン族やその周辺部族の研究により、シリウスとのきわめて濃密な関係が明らかにされている。アフリカにおけるシリウス・コネクションについては、特別の注意を払っておく必要がある。というのも、この地域が人類発生の地である可能性はきわめて高く、その説は多数の有力な学者によって支持されているからだ。

南アメリカ大陸はどうだろう? ここにも興味深いシリウス・ネットワークの切れはしが見え隠れしている。あのドンファン・マトゥスに弟子入りした文化人類学者のカスタネダは、トリップ中に「緑色の肌の、とがり耳の男」に何度も出合った。お気づきだろうか。この男は、ウィルソンがコンタクトしたETとまったく同じ男なのだ。そして、このETは南アメリカでは古くからのなじみのETらしい。というのも、カスタネダの師のドンファンは、緑の男を親しげに「メスカリート」と呼んでいるからである。


ここに紹介したシリウスにまつわるミステリーは、すべて20世紀のものだ。ドゴン族の発見も、カスタネダがメスカリートを欧米に紹介したのも、ロケット工学の天才パーソンズが、シリウス系のメッセージを神霊文書に託して発表したのも、現代オカルティズムの源流に位置する巨人たちが、意味あり気にシリウスの影をちらつかせたのも、すべて20世紀に入って以降のことなのだ。しかも、その地域は、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカと、ほぼ地球全域にまたがっている。

シリウス生命体の地球基地南極説という、突拍子もない説まで勘定に入れるなら──この説はシャンパラを唱える人々の間に存在している──地球上でシリウス・コネクションという“魔法の粉”に汚染されていない地域は、ほぼなくなってしまうのだ。





そこで鼻のきく人間は、20世紀という世紀の底流に無気味に流れるシリウスの影から、大いなる陰謀の匂いをかぎとってきた。この密かな、しかしグローバルなシリウスの影は、人類をなんらかの形で取り込み、支配しようとしている陰謀の影ではないのか? 彼らはそう考えた。そして、この地球外知性体とコンタクトし、その手足となって働いている組織が、人類社会の中に存在するのではないかと想像をふくらませていった。

彼らの陰謀説は、多分に妄想的で常軌を逸したものだったが、しかしまるで見当はずれというのでもなかった。彼ら陰謀史観マニアは、ある秘密結社が人類を支配しようと暗躍していると考える点で一致していた。そして、その秘密結社イコール“フリーメーソン”という点でも、多く意見の一致をみていた。
しかし、もう少し鼻がきき、想像力のたくましい人間は、フリーメーソンも、ある結社に操られる下部組織にすぎないと主張した。そして、メーソンを背後から操っている組織こそ、イルミナティにほかならないのだと断言してきたのである……!

 

 

-----------【補足事項】-----------

シリウスと鞍馬寺


日本にもシリウスに由来するミステリーはあるのだろうか? 答えはイエスである。その一例として京都にある鞍馬寺に注目してみたい。

鞍馬寺といえば、有名な牛若丸が天狗を師としてひとり修行した場所である。この鞍馬寺のご本尊である魔王尊は、俗に“鞍馬の天狗”と呼ばれる「サナート・クマラ」(護法魔王尊)である。伝説によれば約650万年前に金星から鞍馬山に降臨したという神霊である。



サナート・クマラが祭られている
鞍馬寺「奥の院魔王殿」の本殿


鞍馬弘教初代官長の信楽香雲氏によると、この魔王尊サナート・クマラは、神智学の創始者マダム・ブラバッキーの著書『シークレット・ドクトリン』に記されたシャンバラに住む地球霊王サナート・クマラと同一であると言う。このクマラが転化して鞍馬になったそうだ。


この鞍馬寺では毎年5月になると、サナート・クマラに祈りを捧げる祭り「ウエサク祭」が行なわれるのだが、その祭りの中で「聖歌・魔王尊に祈る」という謎に満ちた詩が披露される。この聖歌は、もともと山内の僧侶たちだけの密儀であった「ウエサク祭」を、昭和29年に一般公開する際に初めて詠まれたものであるが、興味深いことに、この聖歌の中には次のような一文が織り込められているのだ。


「その不思議なる おん手には 他界の太陽シリアスの くだしたまえる みちからの 光の棒ぞ もえさかる…」


この聖歌に出てくる「他界の太陽シリアス」というのは、先ほどの鞍馬仏教初代官長の信楽香雲氏によると、ずばりシリウス星のことだそうだ!

更に、この鞍馬寺の「ウエサク祭」が日本で始まったのは室町時代の中期らしいが、シャンバラ伝説の地チベットのヒマラヤ山中においても、これと全く同じ密儀が古くから行なわれ続けているのだ……!

 

 

 

■■PART-2:

歴史の背後に潜む闇の意志──イルミナティが世界を動かす!


18世紀のドイツ・バヴァリア地方に誕生した秘密結社イルミナティ。この知の輝きをもつ結社は、その後、体制派の弾圧にあい、姿を消す。闇に埋没したそれは、だが、歴史の裏側から“魔手”を伸ばしはじめたのだ!

 

■早熟の天才ヴァイスハウプトによって設立された急進的集団イルミナティ



アダム・ヴァイスハウプト(1748-1830年)。
24歳で教授になった彼は、その後、大学を
追われ、ミュンヘンで秘教科学に
取り組み、結社を創設した。

 

ここで、歴史上に現れた「イルミナティ」という実在の結社について、ざっと説明しておくことにしよう。

この秘密結社は、1776年5月1日、バヴァリアのインゴルシュタット大学法学部教授アダム・ヴァイスハウプトによって創設された。このヴァイスハウプトが、わずか24歳で教授の地位をつかんだ早熟の天才だったことを、読者はぜひ記憶しておいてほしい。

彼は、当時ドイツ社会を支配していた蒙昧で保守的なキリスト教ジェズイット派との戦いを余儀なくされていた。いつの時代でもそうだが、時代を改編するような、新思想、自由主義は、旧体制支持派によって抑圧ないし弾圧される。その役割を一貫して担ってきたのはキリスト教であり、ヴァイスハウプトのときも事情は同じだった。

彼はインゴルシュタットでの講義中断を余儀なくされ、ミュンヘンに移った。そして、その地で熱心に秘教科学の研究に取り組んだ。古代エジプトの秘儀やピタゴラス派の神秘学には、キリスト教神学とはまるで異質の知恵の輝きがあった。理性を封殺することで維持されるジェズイット──キリスト教体制からは得られない、知の饗宴、理性への“啓明”があった。

ヴァイスハウプトは深く古代神秘科学に傾倒していった。と同時に「超感覚的世界を再び地上の人間界に移植」するための結社の設立を、しだいに強く構想するようになっていった。かくして結成されたのが、バヴァリア・イルミナティである。

バヴァリア・イルミナティは、その成立時点では政治的な目的をもつ結社ではなかった。フランスの碩学セルジュ・ユタンは、その著『秘密結社』で、バヴァリア・イルミナティを政治的結社に分類しているが、種村季弘氏は、「秘教科学を探究する若い世代の学者サークル」と見なしている。たぶん、こちらの見方のほうが、より実際に近いだろう。ヴァイスハウプトがめざしたのは、むしろエソテリック・サイエンスの復活であり、実現だった。しかも、彼の時代の知性にマッチした復活ないし改編だった。

時代はよりリベラルな知性の発展につき進んでいた。抑圧された知性は、自らの輝きの復活を求めて、伝統的桎梏をはねのけようともがいていた。勢い、イルミナティには当時の知的エリートたちが集まってきた。人々はそこに知性や理性の避難所を見、「迷信と誹謗および専制主義」に侵されることのないオアシスを認めていたのである。

バヴァリア・イルミナティは急速に膨張し、ヨーロッパに広がっていった。

沈滞状況にあったフリーメーソン団員の多くが、イルミナティに入団した。学者、弁護士、裁判官、学生、薬剤師、貴族ら知的エリートが、イルミナティに集まった。その中には、かのゲーテもいた。哲学者ヘルダーがいたし、ベートーベンの師クリスチャン・ネーフェもいた。楽聖モーツァルトもその一員だった可能性がきわめて高い。

 

■地下に潜ったイルミナティが歴史の結節点に登場し、革命を操った!?


しかし、イルミナティの勢いは長くは続かなかった。

結社は、その主義主張から必然的に導きだされる反体制性ゆえに、わずか10年で弾圧され、殲滅された。その背後で糸をひいたのはジェズイット派だった。以降、結社員は、深く歴史の闇の中に埋没していく……。

イルミナティの亡霊が歩きはじめたのは、結社が禁止された1785年から4年後の1789年のことである。この年、フランスで民衆の一大蜂起が勃発した。フランス大革命である。この革命を背後で操っていたのはイルミナティだという説がヨーロッパの各地に広まった。最も熱心なプロパガンダは、イエズス会のバリュエル神父で、彼は革命の一切をイルミナティの陰謀に帰した。のみならず、その起源を14世紀のテンプル騎士団にまでさかのぼらせ、いわば歴史の背後に潜む陰謀の糸──闇の意志の存在を、パラノイアックに浮き彩りにしてみせたのである。

かの希代の魔術師カリオストロも、イルミナティ陰謀説に一枚かんでいた。革命勃発時、カリオストロは、ローマの天使城に監禁されていたが、異端審問法廷で、「国家転覆を企んだのは自分ではなく、ある秘密結社に命じられての行為だ」と弁明し、その結社はバヴァリア・イルミナティだと主張した。カリオストロによれば、イルミナティはアムステルダムや、ロッテルダム、ロンドン、ジェノヴァなどの銀行の巨大な資産を用いて、専制国家体制の転覆を裏から着々とはかっているというのである。

カリオストロの弁明にどれほどの説得力があったかは定かではない。しかし、少なくともフランス革命の随所にイルミナティの影がさしていたことだけは間違いない。フランス革命の推進者の多くはフリーメーソンだったが、彼らはヴァイスハウプトの影響を深く受けており、実際、ミラボー伯のように、イルミナティとフランス・フリーメーソンを結合させるべく動いた人物が、多数記録されているのだ。

ここで、目をアメリカに転じてみよう。

ヨーロッパ大陸で支配者たちがイルミナティの亡霊にふるえあがっていたころ、アメリカでもイルミナティの陰謀がまことしやかにささやかれはじめていた。プロパガンダは、やはりキリスト教の僧侶によって行なわれた。その名をジェデディア・モースという。

キリスト教は、知性の黎明を求める者に対し、いつも異常なほど敏感に反応する。さかのぼれば、グノーシス弾圧がそうだった。新プラトニズムも錬金術も同じ扱いを受けた。ガリレオが宗教裁判にかけられ、啓蒙思想家たちが抑圧されたのも同じ図式だった。そして18世紀には、イルミナティがその対象になった。

モースは主張する。
イルミナティはキリスト教を根だやしにしようとしている!
イルミナティは国家転覆を計画している!
イルミナティは性的乱交や自殺を公認し、社会を混乱に陥れようとしている……!

こうした主張は、『ミネアポリス・スター』新聞の記者ジョージ・ジョンソンによれば、今日まで絶えることなく唱えつづけられている。

現に、たとえば20世紀も半ばのアメリカ議会で、上院議員のジョセフ・R・マッカーシーは、イルミナティが、「アメリカ合衆国に存在し、何年間も存続しつづけてきたという完全、かつ疑う余地のない証拠を握っております。みなさん、私の手許に<イルミナティ>の幹部ならびに団員の氏名、年齢、生誕地、職業などを記入した本物のリストがあるのであります……」と、正面から堂々と演説しているのである。

 

■アメリカの紙幣に描かれた「輝く目」はイルミナティのシンボルだった!


  
(左)アメリカの1ドル紙幣に刷り込まれた「神の目」。
(右)この「神の目」は、他のイルミナティ系の
シンボルにも使われている。

 

アメリカ人がイルミナティに特別に敏感に反応するのには、いくつかの理由があった。その最大の理由は、この国がもともと“フリーメーソンの国”で、建国リーダーの主だったところが事実、メーソン員だったことに由来している。

ヨーロッパでは、フリーメーソンの多くの組織がイルミナティに吸収されていた。それらイルミナティ系のメーソン員は、バヴァリア・イルミナティの消滅とともに地下に潜伏したが、その多くがアメリカに流れ込んだのではないかという“妄想”が、18世紀当時からあった。

さらに、アメリカの国璽の問題がある。光る目がピラミッド上の三角形の中におさまっている図案──「アイ・イン・ザ・トライアングル」は、いわずと知れたフリーメーソンのシンボル、「神の目」そのものなのだが、しかしこの図案は、同時にイルミナティのシンボルでもあった。イルミナティの集会は“巨大なピラミッド形のカーペット”上で行なわれた。輝く目は結社名の“イルミナティ”という言葉そのもののうちに包含されていた。バヴァリア・イルミナティの内実については不明な点が多いが、その影響下にフランスで組織されたイルミナティ系のフランス革命組織のシンボルは、「三角形、光をもつ目、同心円」だった(ジョージ・ジョンソン)。

要するに、表向きはフリーメーソンのシンボルを装ってはいるものの、1ドル紙幣の「アイ・イン・ザ・トライアングル」は、実はイルミナティのアメリカ支配のシンボルなのではないか、と推理させる余地は十分にあった。

この妄想をいっそう補強する材料が、さらに2つある。

第1は、この図案をドル紙幣に取り入れるよう、時の大統領フランクリン・D・ルーズベルトに進言し、財務長官のヘンリー・モーゲンソーを説得した副大統領のヘンリー・ウォーレスが、まぎれもないイルミナティ信奉者だったこと。

第2に、ピラミッドの底辺に記されたアメリカの独立宣言の年を表す1776というローマ数字が、まさにバヴァリア・イルミナティ創設の年そのものであったことである。

イルミナティ陰謀説を唱える論者たちは、このようにしてパラノイアックな推理を積みあげていった。彼ら陰謀史観の持ち主によれば、イルミナティはアメリカの政界・経済界を陰から支配しているのみならず、ソビエトや中東といった共産圏にも強大な影響力を行使しているはずだった。

ロシア革命はイルミナティが策謀した。証拠は──陰謀史観の持ち主によれば──いくつもあった。たとえば、ウクライナ人民委員会議長、駐仏ソ連大使を歴任した大物革命家のラコフスキーの証言がある。彼、ラコフスキーは、1938年トロツキスト裁判の際、「最初の共産主義インターナショナルの創設者は、バヴァリア・イルミナティの首魁ヴァイスハウプトその人であり、資金源はヨーロッパに金融帝国を築きつつあったイルミナティの会計係、ロスチャイルド一族だった。自分はその証拠も握っている」と証言したというのである(デイリー・アレン『ラコフスキー調書』)。


イルミナティの“魔手”は今や世界を覆いつくしていると、陰謀マニアたちは主張した。世界経済はアメリカが動かしている。そのアメリカの政治経済を操る力をもつ巨大財閥──ロックフェラー、モルガン、カーネギーは、いずれもイルミナティの最高位者だというのが、陰謀史家たちの共通識識だった。そしてそのシンボルこそ、あの忌まわしい“ひとつ目”──アイ・イン・ザ・トライアングルだったのである。

 


1789年のフランス革命の時に出された有名な『フランスの人権宣言』。
これは、人間の自由に関する基本憲章の一つであり、
「人は皆、 生まれながらにして自由であり、等しい権利を有する」と記されている。
そしてそこにはアメリカの1ドル紙幣と同じシンボルマーク
「アイ・イン・ザ・トライアングル」がしっかり描かれている!(拡大図)

 

 

 

■■PART-3:

「イルミナティの陰謀」とはシリウス生命体が放つ“神の知識”だ


「ホルスの目」は、すなわち、シリウス生命体の宇宙を駆けめぐる知覚──。その「目」を継承するイルミナティの陰謀とは、シリウスとのコンタクトを通して人類に内在する知の炎を燃え立たせ、啓明のネットワークに包み込むことだ!

 

■古代エジプトの聖なる「ホルスの目」は宇宙をめぐるシリウス生命体の知覚を表す



古代エジプトの神殿の壁画に
描かれている「ホルスの目」


20世紀全般を覆う2つの謎めいた影シリウスとイルミナティをざっと素描してきたが、読者は、これら2つの影が、どこでどうしてひとつに結び合わさるのか、いぶかしく思われることだろう。

厳密にいえば、ドイツに成立したバヴァリア・イルミナティとシリウスは、間接的にしかつながらない。というのも、シリウスは紀元前数千年──ロバート・テンプルの説では、紀元前5000年──の昔から地球にかかわってきたからであり、バヴァリア・イルミナティは、シリウスが深く関与した可能性の強いいち結社以上のものではないからだ。

順を追って書いていこう。イルミナティとシリウスのつながりをストレートに物語るものは、前章で書いた“アイ・イン・ザ・トライアングル”だ。このシンボルの起源は、エジプトの「ホルスの目」にある。そこで、シリウスとアイ・イン・ザ・トライアングルの関係を知るためには、われわれは面倒でも「ホルスの目」にまつわる神話に分け入っていかなければならない。





話を見えやすくするために、ここでは登場人物を3神に絞り込むことにする。ホルスとその親であるイシス、オシリスだ。

まずイシス。この女神がシリウスの神格化であることは、すでに考古学者らによって十分証明されている。古代エジプトでは、このシリウスがちょうど太陽と重なる日を新年として、一年の暦をつくりあげた。これがパート1で書いた“犬の日”だ。そして、この日は、シリウスの力と太陽の力が重なり合って、そこから聖なるバイブレーションが発せられるという。

このイシスの周囲をめぐる惑星、それがオシリスであるシリウスBだ。この星は暗く、重い。しかし、シリウス星系の中で最重要な星であり、ドゴン族が最も重視し、古代エジプト人が最も注目したのも、この星であった。

シリウスBは超密度の星で、強い光度をもつ主星シリウスAに比べ、非常に見えにくい星である。そこで、エジプト人は、オシリスを「暗闇の盟友」と呼んだ。そして闇の世界、死後の世界を司る神ととらえた。ドゴン族も、この星を「暗い星」と主張する。そして、その象徴として「ひとつ目」を描く。まったく同様に、エジプト人もオシリスを「ひとつ目」として描く。シリウスBは「宇宙のひとつ目」──宇宙生成の鍵を握り、すべてを見通す目の星なのだ。

ドゴン族やその周辺部族のボーゾー族が、シリウスBを“トノ・ナレマ”と呼んでいるという事実は大いに注目に値する。この言葉は、ロバート・テンプルによれば、そのもの、ズバリ「目の星」という意味なのだ!



ドゴン族が伝えるシリウス星系の図


さて、古代エジプト人や、エジプト神秘主義の系譜に連なるオカルティストたちは、このシリウスBのシンボルこそが、今われわれの追求している「ホルスの目」なのだと口をそろえる。

ではホルスとはなんの神格化なのか。オカルティストたちの研究から、現在のところ、イシスとオシリスの子ホルスは、すなわちシリウス生命体そのものを指しているという。さらに、ドゴン族によれば、その故郷は、シリウスCの周囲を回る「ニャン・トロ」だというのである。

シリウスAは太陽の48倍もの光度で燃えさかる恒星だし、シリウスBは1万度以上の表面温度をもつ惑星だ。こんな星に高度な知的生命体が住んでいるわけがない。ところが、ニャン・トロは、水のある惑星なのだという。そして、このニャン・トロに住むシリウス生命体は、シリウスBを最も重要視し、崇めているというのだ。

エジプト神話によれば、ホルスは父なる神、「暗闇の盟友」オシリスの死を悼んで、自らの目を供犠に捧げたのだと伝える。つまり、ホルス(シリウス生命体)の目は、オシリスに捧げられた目、シリウスBの目なのだ。逆にいえば、オシリス ──つまりシリウスBは、ホルスであるシリウス生命体の目を通して宇宙を見る。だから、シリウス生命体が外宇宙で活動させている知覚は、すべてシリウスBに帰属するということを、これら伝承は語っている。ホルスは、オシリスにとっての“飛ぶ目”、宇宙をめぐる知覚なのだ。だからこそホルスは、きわめて鋭敏な視覚と強い飛翔力をもつ“鷹”によって象徴されてきたのではないか……。

 

■「神の目」を知る覚者は、シリウス・ネットワークに取り込まれていく!


「ホルスの目」とシリウスの関係は、これでだいたい理解していただけたことと思う。

古代エジプト人は、シリウス生命体にまつわる思想やエソテリック・サイエンスを表現する際に、こうして「ホルスの目」を用いた。「ホルスの目」が、人間の可能性の拡大に関係する超越的・神秘的エネルギーを表すと同時に、冥界・死後の世界、そして不死の象徴としても用いられるのは、シリウスBの二面性によっている。というのも、シリウスBは、実質的なシリウス星系の主星としてシリウス生命体やエジプト、ドゴン族などに崇められると同時に、己れの重力圏に入るものをすべてのみ込み、とらえて離さない超重力の恐怖の星、暗闇の盟主、悪魔の星ともとらえられていたからである。

シリウスBのこの二面性は、エデンの園の蛇のイメージで伝えられている。グノーシス神話では、この蛇を知の顕現として崇めるが、キリスト教では邪悪な魔としてしりぞけるのだ。

よく知られているように、ヘルメス学──錬金術の系譜においても、蛇は重要な“秘められた知識”を象徴する。ヘルメス学の祖ヘルメス・トリスメギストスが「犬の頭をもつ者」と呼ばれ、枝にからみつく蛇をもっている図で表されることに注意してほしい。「犬の頭」とはシリウス星系=大犬座の伝統的シンボルであり、蛇はエソテリック・サイエンス、あるいはシリウス・サイエンスの“知識”の象徴である。



ヘルメス学の祖
ヘルメス・トリスメギストス。
「犬の頭をもつ者」と呼ばれる。


「ホルスの目」にまつわるこれらさまざまな“隠されたもの”が、のちの秘教伝授者によって「神の目」──「アイ・イン・ザ・トライアングル」に集約されてくる。このシンボルを用いる者は、意識するとしないとにかかわらず、シリウスの秘められたネットワークの住人になってしまうのであり、シリウスの体系に取り込まれていくのである。

バヴァリア・イルミナティは、まさにそのケースだった。フリーメーソンも同様であり、錬金術師もまたそのグループであった。彼らのうち、そのトップに立つ者はこのことをよく理解していた。ただし、それを説明することはしなかった。だから、下級構成員は、その秘められた背後関係に気づかぬままに、シリウスの影をひきずって動かされつづけてきたのである。

このことは、20世紀の今日に至るまで、少しも変わっていない。シリウスからのコンタクトは、太古のみの出来事なのではない。それは今も続いており、しかもコンタクトを受けた者の大部分は、その意味の重大さにまるで気づいていないのが普通なのだ。

アントン・ウィルソンが適切に表現しているように、シリウスの、そして「イルミナティの最終秘密のひとつは、自分がその一員であることが、抜けだすにはもう遅すぎるときになるまでわからない、ということにちがいない」のである。





シリウスの活動が20世紀に至っても少しも衰えず、相変わらず人間精神の闇の部分──無意識の部分に働きかけていることを示す例を、20世紀から拾いだしておこう。

パート1で、宇宙考古学のパイオニア、ジョージ・ハント・ウィリアムソンがシリウス生命体とコンタクトしたと主張していることは書いた。このシリウス生命体が実在しているかはともかく、彼がどこかから、「エノク語」にまつわるメッセージを受けたことは事実であり、その材料がウィリアムソンの無意識にあったと仮定しても、それなら無意識は、なぜエノク語とシリウスとUFOとエイリアンを結びつけたのかという問題は、依然として残る。

それ
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